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2024/10/24
その他
【はじめてのMax8】パッチを流れる信号の仕組み
MCジョイアスの工藤 健です。
【はじめてのMax8】3回目となります今回は、
パッチを制御するための
信号
についてご紹介したいと思います。
前回の記事はこちら↓
信号の基本 -bang!-
パッチを流れる信号は「メッセージ」と呼ばれているのですが、
そのメッセージの中でも最も基本的なものが
bang (バン)
と呼ばれるものです。
「ピストルから発射された弾丸」のイメージから名付けられたこのbangですが
その機能はズバリ
オブジェクトの中身を叩き出す
ことなのです!
bangの働き
bangの機能について詳しく紹介する前に、
オブジェクトを一つ紹介します。
printオブジェクトの上につながっているのが
button(ボタン)オブジェクト。
こちらをクリックするとbangが出力されるという、
シンプルなオブジェクトです。
コンソール上にも「bang」と表示されます。
ではこのbuttonオブジェクトを使って、bangの働きについて
もう少し詳しく見てみましょう。
・メッセージの送信
上記左側のパッチではメッセージオブジェクトの上部にbuttonが繋がれており、
buttonをクリックすることによりprintオブジェクトへメッセージを送信します。
・オブジェクトの出力
メッセージオブジェクト以外にも、bangを受け取ることによって
出力を行うオブジェクトは様々な種類があります。
例えば、上記中央の「randomランダム」オブジェクトは
bangの入力があると指定した範囲内からランダムで数値を出力します。
・bangへ変換
こちらはbuttonの機能の一つで、buttonに入力されたメッセージは
全てbangに変換して出力されます。
上記右側の「hello」メッセージはbuttonを通してprintオブジェクトに
繋がれているため、コンソールには「hello」ではなく「bang」と
表示されてしまいます。
bangを出力するオブジェクト色々
buttonの他にもbangの出力をするオブジェクトは
様々の種類があります。
その一部を紹介しましょう!
・metro メトロ
一定の間隔でbangの出力を行うオブジェクト。
間隔の指定は主にアーギュメントで行われていて、
上記左側のパッチでは100ミリ秒(10分の1秒)間隔で
bangが出力される仕組みとなっています。
このオブジェクトに限らず、Max8では時間の設定を
ミリ秒で行うのが基本です。
(1000ミリ秒=1秒)
・loadbang ロードバン
パッチを開いた瞬間に1度だけbangを出力するオブジェクト。
パッチを開いてすぐにオブジェクトを動作させたい場合などに
使用します。
・select セレクト
特定のメッセージを受け取るとbangを出力するオブジェクト。
上記右側のパッチでは、数値の1が入力されるとbangが出力されます。
「sel」と略して表記されることが多いです。
【応用編】メッセージが流れる順番
パッチの作成に慣れてくると、複数のメッセージを
同時に取り扱うことが増えてくると思います。
一見、全く同じタイミングで動作しているように見えますが
実は超高速で一つづつ順番に処理がなされていて、
その順番はオブジェクトの位置関係で決まっています。
オブジェクトが縦に並んでいる場合は
下側のオブジェクトの処理が優先され、
オブジェクトが横に並んでいる場合は
右側のオブジェクトの処理が優先されます。
上記パッチを実行してみると…
ちなみに、縦と横が混在している場合は
縦に並んだメッセージの処理が優先されます。
メッセージが流れる仕組みをしっかり理解して、
より良いパッチ作りを目指しましょう!
参考文献:
Maxの教科書/ノイマン・ピアノ
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