私の母校の校歌には、前奏、間奏、後奏が、ありませんでした。
先生の指揮に合わせて、最後まで「セーノ!」の気分で歌う。
私たちが入学すると同時に、音楽の先生が転勤していらしたんですね。
数カ月したときでしょうか、歌う前にメロディが流れてきました。
そう、その先生が、ジャズピアノ的に、前奏、間奏、後奏、を作曲したのです。
そして、数十年経った今、そのメロディが校歌の正しい楽譜になっています。
このことは、学校史にも書かれていません。だから、私たちは前奏ができた目撃者というわけです。
音楽の授業中も、ピアノを上手に扱っては(いろいろと噂があって、うちの母校に来たというから、やる気がなかっただけかも)、
なんだろう、演歌風に歌いやすくピアノを弾いて、合唱させるんでした。
私たちもそのメロディが心にしみて、授業が終わると、口々に、口カラオケで、歌ったりしてね。
プロのピアニストには、曲をおもちゃにするなと叱られそうですけどね。
伴奏で弾くピアノは、歌いやすいことが一番で、歌いやすい気持ちにさせるのもやっぱり一番だと思うんですね。
それには、遊び心の溢れたピアノが合ってると思うのです。
クラシック歌うときも、完全に間奏が北島三郎さんの「は〜るばる来たぜ函館」だった気がします。そんなユニークな先生に出逢うと、ピアノが心地良い響きに変わります。